日本妙好人協会

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金言金行集
2022年3月3日

 江州 伊香郡 高野村 廣部信次郎、三州牛田の

玄衛に かく かたれりと。

 十八歳の時、美濃國 太田新田の尼 妙信といふ

盲人の方にあふて、初めて御慈悲を喜ぶの身と

なれり。

 京都にては、一蓮院様と申す御講師ありて、殊に

御厚信にましますとの事をきゝ、一度 御教化に

接せばやと、ある時、上京して一蓮院様の御住居

を とひ申したり。

 御待者(じしゃ)の暫(しばら)くまてとのことにて

暫時(ざんじ)

まちゐたれば、御講師、予(よ)に逢ひ

たいと云ふは、其方(そのほう・そなた)か、何用

あつて來たとの仰せ。

 その時、南無阿彌陀佛の六字の御謂(いわ)れを

聽聞 仕りたく参りたりと申し上げたれば、それはよく

参つた、今まできいた事もあらう何ときいたと仰せ

らし故に、「必ず救ふぞ」と呼びづめにして居て下さ

るゝ如來様の御呼び聲(こえ)の間違ひないと頂い

て居ります」と 申上げたれば、一蓮院様には、満身

を動かして歓びましまして、それが六字の御謂れと

いふものじや、たのむといふも、信ずるといふも、

またその事じやぞよと、懇(ねんご)ろに御教化

下されたり。



   秀存語録より

金言金行集
2022年5月24日
 一蓮院師の辞世

 一蓮院秀存師の辞世に云く、

 今はとて 何をかいはん 南無阿彌陀

佛は はちす さゝげてぞまつ

 「 五濁悪世(ごじょくあくせ)の我等こそ

 金剛の信心ばかりにて

 ながく生死をすてはてゝ

 自然の淨土にいたるなれ 」

  あら おもしろや、あら おもしろや。


  秀存語録より

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