日本妙好人協会

詳細ページ3120


金言金行集
2021年4月20日
 

 この世では、重い荷物は親に持たさぬもの也。

されど、後生の重荷のみは、

親様が持って下さるゝ也。



   一蓮院秀存 和上

金言金行集
2021年4月23日
 定四郎様の父上が病氣となり、松林寺様に

願うて御化導を蒙(こうむ)つた。

 其時(そのとき)病人に向ひ

「お前は何(ど)の機で聞くや」、病人は重病の中

より 「私は今日まで御教化にあひながら、

信ぜられたやうにも、たのまれたやうにもなし、

今いよいよ死なねばならぬかと思へば、どうも

氣持が悪うてなりませぬ、此(この)まゝ死んで

行つたら何となりましやう。」

 松林寺曰く「それは心得違ひぢや、これから

きいて仕上げるでない、仕上げの法を聞くだけ

ぢやで、お前はお前の今の思ひだけで死んで

行けぬかや」 の御一言(ごいちごん)でお歸り

なされたことがある。

 今の思ひだけで死んで行つて御誓い通りと

云ふは、これほど嬉しいことはありませぬ。



   信者めぐりより 

 三河國(みかわのくに)額田郡(ぬかたごおり)

阿知和村(本派)松林寺 三浦老和上(ろうわじょう)
その他のエピソード⇒⇒詳細ページ3119へのリンク