日本妙好人協会

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金言金行集
2020年7月29日
 おぎんが京にもうでたとき、京の人が

「敦賀へんには、なんど めずらしいこと

おまへんか」

ときくと

「まことに めずらしいことがあります。

このばばが、ほとけにしてもらいます。

こんなめずらしいことは ございません」

といって、にこにこよろこんだ。



越前 敦賀のおぎんさん

金言金行集
2020年7月30日
 或時(あるとき)播州(ばんしゅう・兵庫県)

宝田村(ほうたむら)の浅五郎の母が、

「浄教寺様に遇はせて頂かれるやう

お取計ひ下されたい」と御尋ね下された。

これ幸ひと思ひ、共に師の許へ伺ふた。
 
 師はもう中風病(ちゅうふうびょう)にかかられ

てより、数年後のことなれば、自由叶はぬ床中

(とこなか)の御生活、故に他より伺ふことを非常

に喜ばれ・・・・・

御目にかかるなり一禮(いちれい)を述べ、

「私は我子(わがこ)に引かされ誠に後(おく)れを

とりまして、此老人になりながら、未(いま)だ

御慈悲が貰はれませぬ、どうぞ御一言

(ごいちごん)を」 と尋ねられた。

師曰く

「これから聞いて御慈悲を貰うて助かるやうな、

ヌルイ法を聞いて居るかや可愛相に(片手を振り

ながら)モー御慈悲は貰はぬでもよいのぢや。


今が はや御慈悲の中に包まれて居ることに、

御成就下された御謂(いわ)れを聞くのぢや、これ

からと云ふことは御當流にはないぞよ。」

この一言にて満足して歸りました。




信者めぐり

三田 源七に連れられて播州・浅五郎の母なる人

に対しての京都・浄教寺住職 脇谷 覺行(わきや

かくぎょう)和上の御法義話。
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