金言金行集 |
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2020年7月19日 |
二よらい三よい なむあみ太”ぶわ どこのひとかな あれわの ごくらくの ひと な二し二 きなさう太かな さいちを むかい二 きなさう太 ひとよ へゑありがとを ござりますな なむあみ太”ぶつ なむあみ太”ぶつ 鈴木大拙先生の 妙好人 浅原才市集より |
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金言金行集 |
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2020年7月20日 |
美濃路に於いて日本一の大學者がお下りになり、 毎日講釋があると承つた。・・・ (その寺の奥様に) 私(わたくし)は念佛申さにや助からぬとも、 助かる爲には喜ばにやならぬとも聞いて居(を) りませぬ、お聞かせの法に不足はなけれども、 此機(このき)の上に云ふに云はれぬ ここちの 悪い、どうもと云ふイヤな思ひが抜けませぬ、 これに困つて信者めぐりに出たのであります。 此思ひが有つても差支(さしつかへ)にならぬもの でありましやうか、無いやうになるもので ありましやうか、これ一つが聞きたう存じます」 と申し上げたれば、 立(たつ)て居られた奥様が直(すぐ)に座り込み 「貴方(あなた)は若い御方にも似合(あは)ぬこと を云はれる人ぢや、それは貴方ばかりぢや あるまい、一大事の後生を心にかけたら、 多くは其れであらう、けれども尋ねてきくほどの 勇氣もなく、 愚図々々して居るであらう」と、わたしもそれぢや と云はぬばかりのお姿ぶりで・・・・ 「同行 喜ばれよ、今 和上が貴方一人の爲に此處 (ここ)まで出て下さる、すぐお上(あが)りなされ」 と笑(えみ)をふくんでお話し下された・・・・ 和上曰く・・・・ 不審のほどをモー 一邊(いっぺん)述べてみよ 「ハイ私は念佛申さにや助からぬとも、助かる爲 には喜ばにやならぬとも聞きませぬが云ふに 云はれぬ、どうもと云ふ氣味の悪い思ひが抜け ませぬ、此(この)思ひがあつて悪いものでありま しやうか、無くならねばならぬもので ありましやう か、御一言御示し下さいませ」 と申し上ぐれば、 和上は「長話は出来ぬが、千両にも萬両にも かへられぬ事を一口話すに依つて、ウカウカ 聞くぢやないぞよ」 と前置をして、仰せに 「其心が信心の色なり、 御法義の命(いのち)なり、 懈怠(けたい)の人には其(その)心は なきなり」と、仰せられたまま奥へお這入りなされ た。 其御化導を頂いて、御院主と奥様は 横手をうつて「甘(うま)かつた甘かつた」と お喜びなされたが、私は其意(こころ)が分らぬ ゆゑ、ポカンと座つて居りましたら 「お前分つたかや」と御院主より問はれ 「分りませぬ」と答へた 「お前なにを云ふのか、いやな思ひがあると云ふた ぢやないか、其の持つたまゝが今の御助けに 付(つい)て、何よりなくてはならぬよき物ぢやと、 煩悩即菩提に教へて下されたぢやないか、 其心がなかつたら此處まで出て来やせまい、 其心の爲に今の持たままの大法(たいほう)に あはせて貰ふたぢやないか、いよいよこれでこそと 我機(わがき)をたのみて居る安堵懈怠(あんど けたい)の人には、其心(そのこころ)があるべき ものぢやない。 故に其心が信心の色なり、御法義の命なりと 仰せられたのぢや」と、御親切なる御意見を 蒙(かうむ)りて、始めて其意(そのこころ)を知らせ て頂き、實に嬉しかつた。 信者めぐりより(7頁から) |
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