金言金行集 |
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2021年9月23日 |
三州牛田の玄衛 云く、信次郎よりきけりと。 或時(あるとき)、一蓮院師の許(もと)へ四五人 の同行参り御きかせに預りたしと願ひければ、 師一同に對(たい)せられて 「 そのまゝの御助けぞ 」 と授け給(たま)ひけり。 一人、 「 このまんまで御たすけで御座り まするか 」 といふ。 御講師の云く、 「 違ふ 」 。 また、一人、 「 このまんまで御たすけで御座り まするか 」 といふ。 御講師、また云く 「 違ふ 」 。 暫(しばら)くありて、また、他の一人、 何卒(なにとぞ)今一度 御きかせ下されたしと申し ければ、師また一同に對せられて 「 そのまゝの御助けぞ 」 と。 他の一人、聲(こえ)に應(おう)じて、「 難有う 御座ります(ありがとうござります) 」 と 御うけ申しければ、師は、非常によろこび給ひ、 御淨土で逢ふぞと仰(おお)せられしと云々 (うんぬん)。 秀存語録より 一蓮院和上 |
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金言金行集 |
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2021年10月18日 |
唯(ただ)ひとすぢに佛を嫌ふ機ゆゑに、 喩(たと)へば其機(そのき)は器の如く、法は其蓋 (そのふた)の如くぢや。 あひぼれではない、逆(さから)ふ機、逃げる機、 嫌ふ機に相應(そうおう)して塵(ちり)ばかりも すきのないやうに、喰ひつくやうに合せて仕上げ て、そちの知らぬさきから、そちの機に保(も)た してある六字ぢやほどに、此(この)六字の外に 用意はいらぬ、落付いた心や、承知の出来た心が 信ではない、六字にて助かることを獲得(ぎゃくとく) 出来たが信ぢや。 信者めぐり 光觸寺(こうそくじ)物語より 證心院 釋静照和上 |
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