日本妙好人協会

詳細ページ3135


金言金行集
2021年9月23日

 三州牛田の玄衛 云く、信次郎よりきけりと。

 或時(あるとき)、一蓮院師の許(もと)へ四五人

の同行参り御きかせに預りたしと願ひければ、

師一同に對(たい)せられて

 「 そのまゝの御助けぞ 」 と授け給(たま)ひけり。

 一人、 「 このまんまで御たすけで御座り

まするか 」 といふ。

 御講師の云く、

    「  違ふ  」 。

 また、一人、 「 このまんまで御たすけで御座り

まするか 」 といふ。  御講師、また云く

    「  違ふ  」 。

 暫(しばら)くありて、また、他の一人、

何卒(なにとぞ)今一度 御きかせ下されたしと申し

ければ、師また一同に對せられて

 「 そのまゝの御助けぞ 」 と。


 他の一人、聲(こえ)に應(おう)じて、「 難有う

御座ります(ありがとうござります) 」 と

御うけ申しければ、師は、非常によろこび給ひ、

御淨土で逢ふぞと仰(おお)せられしと云々

(うんぬん)。



   秀存語録より  一蓮院和上
 

金言金行集
2021年10月18日

 唯(ただ)ひとすぢに佛を嫌ふ機ゆゑに、

喩(たと)へば其機(そのき)は器の如く、法は其蓋

(そのふた)の如くぢや。

 あひぼれではない、逆(さから)ふ機、逃げる機、

嫌ふ機に相應(そうおう)して塵(ちり)ばかりも

すきのないやうに、喰ひつくやうに合せて仕上げ

て、そちの知らぬさきから、そちの機に保(も)た

してある六字ぢやほどに、此(この)六字の外に

用意はいらぬ、落付いた心や、承知の出来た心が

信ではない、六字にて助かることを獲得(ぎゃくとく)

出来たが信ぢや。


  信者めぐり  光觸寺(こうそくじ)物語より

   證心院 釋静照和上

その他のエピソード⇒⇒詳細ページ3134へのリンク