日本妙好人協会

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金言 金行集
2019年9月24日
 七三郎ある時 伊賀の三左衛門を訪問した・・・

・・・七三郎と併び稱せられた妙好人であった。

七三郎は其家に至りてまだ座敷に上らず、草鞋の

紐を解きながら

「三左さん、三河の爺がわざわざ尋ねて来ました。

どうか一念の場をたつた一言聞かして下され」

と言ふ。

さうすると三左衛門は

「南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏ありがとう

ございます。

それさへ知らぬものでござります」と言ふ。

七三郎喜びて「さういふお慈悲で ござります

かいのう、南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏」と言ふ。

滞在中このことばかり互に言ひ合ふて喜び暮し、、

金言 金行集
2019年9月25日
いよいよ歸國するとて出立の時、草鞋の紐を結び

ながら「三左さん、三河の爺が折角尋ねて来た

ことであれば、どうか土産に一念の場をたつた

一言聞かして下さい」と頼めば、

三左衛門は相替らず

「ありがたうござります。それさへ知らぬものでござ

りますが、このままでお助け下されるさうでござ

ります。南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏」と喜ぶ。

七三郎は、「ああさういう お慈悲でござります

かいのう。ありがたうござります。

南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏」 と同じことを

繰返し、お禮を言ひつつ立ち去つたといふ。


妙好人・七三郎さん
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