日本妙好人協会

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金言金行集
2021年9月9日
 
 和上(わじょう)の御前(おんまえ)へ進み出て、

心中のモツレを申述べると

「それは私に相談すべきことではない。 固(もと)

より本願の誓約として、忘年忘執(妄念妄執・もう

ねんもうしゅう)の心には、更に御注文はしてない。

 唯(ただ)仕上げの法を聞くだけの宗旨(しゅうし)

である。 故に我機(わがき)をイヂルは無駄事

(むだごと)である。 夫(それ)より法の謂(いわれ)

を念に念を入れてよくきけ。」

  又 或(ある)同行が、五十年の聴聞や機の上の

模様を土臺(どだい)として、サモ嬉しげに領解を

述べで「行届かぬ處は御引立(おひきたて)に

預りたい」と申上(もうしあげ)ると。

 師はジツと顔を見つめて居て、俄(にわか)に

お答がないのが常であつた、久しくすぎて 「如何

(いかが)で

御座(ござ)りましやう」 と二度御尋(おたずね)を

すれば、漸(ようや)く口をお開きなされ

 「そんな土の塊(かたまり)に金箔(きんぱく)を

置いたやうなものが何になるか、残らず地獄因(じ

ごくたね)ぢや」 と、これより外(ほか)はなかつた。




  信者めぐりより

  光觸寺(こうそくじ)證心院釋静照 和上

  光觸寺物語

金言金行集
2021年9月17日

 或人(あるひと)與市(よいち)の貧苦(ひんく)な

生活状態に同情して、此世(このよ)は随分と辛い

所じやね」 と云はれたら與市は如何(いか)にも嬉

し相な顔して 「 それでもナー佛法(ぶっぽう)を

聞かせて頂く事が出来ると思へば仕合せよき結構

な所ですわい  と答へられた、


      與市同行 喜びのあと

          妙好人 椋田 與市さん
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