日本妙好人協会

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金言金行集
2020年8月12日

 「みだが我にかわって つとめあげて下されたで、

我のするしごとは、御恩とはつくが

往生にはならん。」


三田 源七同行


 
 原口 針水いわく 「決定(けつじょう)の心を

とるべしとは、凡夫の方にとるのではない。

大悲のお心にとられた一つ。

往生のご用すみという お心をとれというのである」

 「まちがいなくきくというは、

まちがわさぬ おじひをきくことぞ」 と。

源七は特に、仕上げ心を否定して、如来の

はたらき一つを強くいただいている。

針水勧学や、おゆき、和兵衛などの、

おそだての縁であろう。




信者群像より(藤並天香 著)

金言金行集
2020年8月13日

 香月院師御上京と承り、跡(あと)追かけて

上りたる吉良右衛門(きちろううゑもん)に向ひ

 「お前はそれほどまでに我れを慕うて来たの

なら、何ぞ土産物を持って来てくれたぢやらうな」。

「イヤ餘(あま)り急いで持って参りませなんだ。」

「私の云ふのは其事(そのこと)ではない、お前の

持合(もちあわせ)の三毒五欲をくれぬかや。」

「これだけは差上ることは出来ませぬ」。

「なぜに」。

「これはモウ如来様の御領分と承りては、私の

持つて居るものなれども、私の物ぢや御座りま

せぬゆゑ致方(いたしかた)はありませぬ。」

「甘い(うまい)ことを云ふナア」と

お讃(ほ)め言葉にあづかつたとある。




香月院師と吉良右衛門同行の問答

信者めぐり
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