日本妙好人協会

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金言金行集
2020年12月14日
 御開山聖人の仰せにも、「身口意の亂(みだ)れ

心を繕(つくろ)うて、目出度ふしなして往生せんと

思ふを自力とはまうすなり」 と仰せられた。

 夫(それ)は自力の計ひぢや、いよいよ喜びも

出(いで)ず、御念佛も懈怠(けたい)になつたら、

いよいよ悪人とは私のことぢや。

 其(その)悪人を御(お)阿彌陀様は御正客とは、

私のことぢやと思うて御喜びなさい、夫でなー

御阿彌陀様は其喜ばれぬものや、御念佛の稱へ

られぬものを助けふとて、別に誓ひを立てゝ助け

て下さる、其儘(そのまま)で来いよと呼んで下さ

る、其御本願ぢやから懈怠になつたら、いよいよ

喜ぶことぢや。




信者めぐり   七里 恒順(しちりこうじゅん)和上

金言金行集
2020年12月18日
 あるとき、我山(わがやま)の木を、盗み

伐(きる)者あり。

 七三郎これを見て、聊(いささ)か  をしむ氣色

(けしき)なく、剰(あまつさ)へ その盗みたる者へ

對(たい)して謝禮(しゃれい)をなしぬ。

 夫(それ)を見聞の輩(はい)、不審におもひて、

その子細をたづぬれば、我 過去にて、あの人の

物を盗みたるむくひなるべし。「はづかしきことに

こそ待(はんべ)れ、この方(ほう)より返す道を

しらざり

しに、あちらより取りにきたれりと思へば、禮を

まうすより外なし」といへり。

 又ある所にて、人々あつまりて、其(その)心

をためし見んとて、金財布(かねさいふ)を、道に

落し置(おけ)ば、夫(それ)を ひろひあげ、いた

だきて本(もと)の所に置て通りしとなり、その

氣質たぐひ稀なる人なり。



妙好人百話より 妙好人 三河の七三郎さん

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