金言 金行集 |
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2019年11月10日 |
清九郎の信徳を聞かれて、ある時本山参詣のをり 法主から御對面の旨が傳へられた。 清九郎は、自分の様な下賤(げせん)なものに 冥加にあまる 仰せであると深く感激して示されるままに對面所 へ出かけていつた。 すると出てきた係りの人が咎めていふには 「御目見得(おめみえ)にはお目見得の作法が ある。 上を敬ふだけのなりをして出なければ ならぬ。烏帽子素袍(えぼしすおう)でまかり出る べきものである」 とのことであつた。 これをきいて田舎者の清九郎は甚だ恐縮した。 そして言つた 「ようこそ言うて下されました。 私は年々に本堂の如来様をはじめ御眞影様へ 御禮を申し上げてをりますが、 この肩衣(かたぎぬ)でこのまま 御禮申上げてをります故、思はずしらず このまま上がりました」というた。 こんなことで時間をすごし、奥からの御さいそくで、 そのままで苦しうないとのことで對面せられた といふ。 「本堂の如来様にも御眞影様にも このままで御禮申上げてをりまする」といふ。 衣冠(いかん)をととのへよと申しわたした ものはこれを何ときいたであろう。 妙好人・清九郎さん (岩見 護・念仏者のおもかげ) |
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金言 金行集 |
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2019年11月11日 |
深からん 罪もおそれぬ 彌陀なれば 深きお慈悲の 底やなからん 貞信尼さん |
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